ポップコーンの音が響く

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新旧大魔神の能力比較

新旧大魔神の能力

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新作、旧作の大魔神の能力比較。

大魔神の持つ異能の能力、キャラクター性、造形師などの違いを解説。

 

 

 

新旧・大魔神の能力

本記事ではオリジナル版とガーディアンズ版の大魔神が見た目や能力にどんな違いを持っているかをを解説しますので、ぜひ最後までご視聴ください。

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©KADOKAWA

出典:妖怪特撮映画祭|トップ

肝心の妖怪大戦争ガーディアンズの感想、解説記事については下のリンクよりお願いします。

 

 

大魔神の基本設定

それでは、新旧・大魔神の能力を解説したいと思います。

まずは大魔神の基本設定を見ていきたいと思います。

 

旧作の基本設定

大魔神は魔神阿羅褐(アラカツマ)が武人像に憑依した神の名前です。

初登場は昭和1966年に制作された「大魔神」。

 

身長は4.5メートル。

ガーディアンズ版は9.8メートル。

体重は50トン。

年齢は不老不死となっています。

 

大魔神は普段は人が立ち入れないような山奥に鎮座しています。

オリジナル版では全て架空の山や渓谷だったのに対し、ガーディアンズ版では長野県にある将軍塚で眠っています。

 

鎮座している場所は作品によって異なりますが、どの場所も共通して、近づこうとする者を幻覚で惑わし、簡単にたどり着けないようになっています。

 

鎮座している時は、武人像の姿となっています。

いつ作られていたかは作中、明らかにされていませんが、モチーフが埴輪となっているので、恐らく3世紀ごろと思われます。

 

普段は物言わぬ石像ですが、主人公が独裁者に支配された村人が独裁者の天誅してもらうよう、祈りを捧げると魔神"アラカツマ"が憑依、大魔神として大地をひび割りながらその巨体を立ち上がらせます。

ガーディアンズ版は武人像に刀を突き刺す事で大魔神を呼び起こすぞ!

 

なお、大魔神天誅後、アラカツマと武人像と分離し、どこかへ飛び去っていきます。

そのアラカツマに対して、大魔神の肉体を形成していた武人像は砂となり崩壊します。

 

崩壊の仕方はは作品ごとによって異なっており、1作目は砂、2作目は水、3作目は雪、ガーディアンズ版では1作目と同じく砂となって崩壊します。

 

以上が、大魔神に共通したキャラクター設定となっています。

 

大魔神は魔神を宿した身体、敵対するのは人類、独裁者へは容赦しない、と、これまでにない主役怪獣として作られているのが分かります。

この設定により、作中で村人たちに恐れられ、大魔神を復活させるのは禁忌とされていました。

 

同じ大映怪獣であるガメラをはじめとした主役怪獣は人類の味方となりますが、大魔神は徹底して、2作目以降も悪の怪獣とも取れそうなスタンスを崩さないキャラクターとなりました。

この独自設定が観客にウケて、同じ年に続編が制作される偉業を成し遂げました。

 

ガーディアンズでの基本設定

ガーディアンズ版でも旧作の大魔神の基本設定が受け継がれています。

 

ガーディアンズで再登場する際、大魔神の設定の変更点は殆ど見受けられない上に、登場から退場までのプロセスが全く一緒となっています。

オリジナル版を見ていたファンならばおもわずニヤリとしてしまうシーンが数々あると思います。

 

唯一の変更点は大魔神が神だった設定が妖怪として位置づけられている点です。

コラボする作品の主要キャラが妖怪であるため大魔神もそれに合わせて妖怪よりのキャラクターへと変更されました。

 

大魔神は旧作のように邪心の人間を成敗する事はせずに日本妖怪たちのお助けキャラへとポジションチェンジ。

 

旧作は人間たちが恐れる神だったのに対し、ガーディアンズは頼れる正義の味方となりました。

この変更点を受けてか、ガーディアンズ版の大魔神が放つ神々しさや威圧感は旧作よりも抑え気味となっています。

ガーディアンズ版、実はそんなに怒ってない説。

 

大魔神のマスク

続いて、大魔神のマスクについて解説したいと思います。

 

怒りの仁王像

眠りから目覚めた大魔神は穏やかな顔から一変、仁王像のような表情へと変化させます。

 

表情を変化させる際は、右腕を顔の前にかざす事で怒りの表情に変わります。

オリジナル版では顔と腕が重なった瞬間に、マスクを交換して表情を変化させていますが、ガーディアンズ版では現代のCG技術を利用してスムーズな表情変化を可能にしました。

 

その表情になった大魔神は独裁者への慈悲は一切、ありません。

オリジナル版では、スーツアクターを担当した橋本力の眼力を活かした演出をしています。

 

橋本氏は演技する際、瞬きを一切しない事で大魔神の迫力や気迫を表現していました。

撮影の演出でイモ粉などの粉塵が荒れ狂う中で常に目を見開いていた為、目は常に充血、大魔神のあの力強い双眸が誕生しました。

なお、橋本力は大魔神の他に、1作目、2作目に顔出し出演しています。

 

ムンクの叫び

対するガーディアンズ版での大魔神のマスクは役者の演技ではなく、CG描写。

 

目の描写は生きた人間の目ではないので恐ろしさはオリジナル版と比較すると半減していると感じてしまいます。

ガーディアンズ版は怖いというより格好いいと言った方がなんぼか近いです。

 

また、ガーディアンズ版の大魔神は穏やかマスク、怒りマスクの他に困り顔のマスクが新たに追加されました。

 

そんな困り顔はムンクの叫びのような顔をしています。

劇中では突如、姿を変えた妖怪獣に対して、驚いた大魔神がこの顔を始めて披露しました。

ガーディアンズ版の大魔神が神ではないと強く感じさせる描写となりました。

 

しかも、この顔をすぐ引っ込めると思いきや妖怪獣の怒りが完全に沈むまでずっとこの顔をしていました。

どれだけ驚いたんですか…?

ガーディアンズ版の大魔神は可愛い。

 

独裁者への天誅

最後に解説するは大魔神の代名詞である天誅について解説したいと思います。

旧作と新作の天誅の仕方にどのように違いがあるのでしょうか?

 

独裁者への成敗

旧作の大魔神は独裁者へ天誅を行います。

倒すべく独裁者の元へ現れるや否や、魔神の力を使い、じわじわと追いつめ、最後には天誅を下されます。

 

オリジナル版では、天候を操る、地震を発生させる、などの神のような能力を使い、独裁者の家臣たちを追い込みます。身体能力も高く、城門を拳一つで破壊、足止め用の鎖を簡単に振り払う力を発揮しました。


この圧倒的な力の差を見せつけられた家臣たちの戦意は次々に喪失、戦死していきました。

 

大魔神との戦いでは集団で立ち向かう人間が全く歯が立たない、一方的に蹂躙される様子は神の逆鱗に触れたと強く感じられる映像になっていました。

まさに神のなせる業である。

 

妖怪獣との激戦

ガーディアンズ版では腰の宝剣を使い、妖怪獣と激戦を繰り広げました。

 

オリジナル版では、3作目でようやく使われた宝剣ですが、ガーディアンズ版ではどえらいパワーアップしており、なんと、鞘から引き抜くと刀身をが何倍も伸びていくのが印象的でした。

たぶん、13km以上は伸びてる。

 

大魔神はその帯剣を妖怪獣を一刀両断。

旧作では全くと言っていいほど使われなかった鬱憤を晴らすが如くの活躍だったと感じます。

 

なお、旧作で見せた天変地異を操る能力はガーディアンズ版では最後まで披露する事はありませんでした。

 

また、大魔神の相棒を担当した水龍とのコンビネーションも印象的でした。

 

旧作の使い魔である大鷹を彷彿とさせます。

水龍は大魔神を背に乗せる前提でデザインされているので、実際に大魔神が背に乗った画の一体感は見事だと思いました。

 

大魔神の造形師

最後に新旧・大魔神の造形師について解説したいと思います。

大魔神のキャラクターデザインを担当したのは以下の2名となります。

 

怪獣の父・高山良

オリジナル版は「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の怪獣造形を手掛けた高山良氏です。

高山氏が大映に参加したのは「ウルトラQ」の怪獣造形、「ガメラ対バルゴン」撮影終了直後となります。

高山氏は武人、魔神像の造形、実物用の手脚、崩壊する武人像に着手しました。

特に、魔神の着ぐるみスーツの大魔神マスクは神調整されており、面と兜を分割させ、橋本力の眼の表情がが遺憾なく発揮されるように調整されています。

高山氏は3カ月と言う短い期間で大魔神のさまざまな造形物を手掛けました。

 

ラクガキング・寺田克也

対するガーディアンズ版の大魔神のデザイン担当は寺田克也氏。

ゼイラムゴジラFINALWARS、デビルマンなどのキャラクターデザインを担当した経験のあるイラストレーターとなります。

 

本作の妖怪大戦争での大魔神は原点を超えるのではなく、リスペクトを強く意識しているようです。

オリジナル版と比較するとショルダーや垂れが張り出た形状となっており、いかにもアクティブに動くぞ、と感じさせるデザインになっています。

 

また、大魔神を他の妖怪と同じ1キャラとして考えられています。

サイズも見た目も違う大魔神が劇中、妖怪たちと集合したときに馴染んで見えたのはそのおかげでした。

寺田氏は大魔神の他、水龍と妖怪獣と言った巨大妖怪たちのデザインも手掛けています。

 

 

新旧・大魔神の能力まとめ

これより新旧・大魔神の能力まとめとなります。

オリジナル版の大魔神は不動で神として描かれているのに対し、ガーディアンズ版ではお助けヒーローポジションへとキャラチェンジしており、とにかく動いてなんぼなキャラクターとなっています。

 

旧作の大魔神は恐れの対象として描かれました。

普段は山奥にひっそりと眠っていますが、一度、封印から眠るとその表情を怒りに変えて独裁者を成敗します。

 

暴れ狂う大魔神に対処できる人間は皆無。

人間にできるのは逃げることだけとなっています。

しかし、その眼光から逃れられる者は誰もいません。

 

対するガーディアンズ版では頼れる強キャラへと変化していました。

大魔神は当時作品から終盤のみに登場するキャラクターですが、ガーディアンズはその展開をまるでヒーローの登場展開として持ってきました。

 

渡辺兄弟を肩に乗せて飛行、水龍との連携を見せるなど、動くといちいち格好良くね?と思えるシーンが多くありました。

 

これまでの大魔神の印象が強い人にはこの変化には良くも悪くも驚きです。

しかし、このキャラクターの変化で新たな大魔神像が出来たと感じました。

次回作があった時、さらなる大魔神の活躍を期待したいです。