ポップコーンの音が響く

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スーパー戦闘 純烈ジャー感想「純烈の燃えるヒーロー魂!」

スーパー戦闘 純烈ジャー

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監督:佛田洋

   武田道弘(アクション監督)

脚本:久保裕章

主演:純烈

配給:東映ビデオ

 

 

 

スーパー戦闘 純烈ジャー

本記事では「スーパー戦闘 純烈ジャー」の感想を語っていきたいと思います。

キャッチコピーは「地球は頼んだ、温泉は任せろ!温泉の平和を守るヒーローが誕生!」。

 

なお、この記事には映画のネタバレに堂々と触れていくので、まだ作品を見ていない方は注意してください。

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©2021東映ビデオ

出典:純烈ジャーより引用

 

あらすじ

今をときめくムード歌謡グループ"純烈"。

彼らは隠されたもう一つの姿があった。純烈は温泉の危機が訪れると純烈ジャーへと変身し、悪の組織と戦っていたのだ。

 

そんなある日、大物ミュージシャンの疾走が発生。

純烈は温泉の危機と悟り、秘密裏に事件の調査を始める。

 

その最中、純烈の中で一人、これまでの事情を知らない尾上がついに悪の組織の事件に巻き込まれる―――。

 

温泉地を守るヒーロー

主役である純烈は何といっても温泉地を守るヒーローとして描かれます。

純烈はスーパー戦闘でのライブから人気に火が付いた歌謡グループという事もあり、本作では温泉地といつもの採掘場と言うロケ地の少なさで話を展開しています。

 

基本ストーリーの流れは拠点となる温泉地で事件が発生後、なんかよく分からない秘密基地で歌謡曲の大御所である御前川清から使命を受けて純烈ジャーとなり事件を解決するというものとなっています。

 

コロナと言う状況下の中、純烈の温泉要素を全面に出した作品となっています。

また、登場人物の数人もかなり絞られていますが、温泉という狭い世界のためそれもあまり気にならないと感じました。

 

主演は後上翔太

そんな純烈の主演を後上翔太としています。

後上はメンバーの中で一番若い事もあり、ストーリーを動かしやすい理由で選ばれたとおもわれます。

 

他のメンバーは年齢の問題と言うよりも貫禄がありすぎてほぼほぼ完成された感があるので主役にはしづらいよね、とはちょっとというかかなり思いました。

 

元戦隊ヒーローの凱旋

分かる人には分かりますが、純烈メンバーは元戦隊ヒーロー、仮面ライダーに出身した俳優で構成されています。

リーダーである酒井一圭ガオレンジャーのガオブラック、白川裕二郎ハリケンジャーの追加戦士ゴウライジャーのカブトライジャー

そして、小田井涼平仮面ライダー竜騎の4号ライダーである仮面ライダーゾルダへと変身していた経緯があります。

 

本作でもそれを意識して、変身した後の姿は元のヒーローのイメージと温泉、アイドルの3要素が組み合わさっています。

 

特に、準ブルーのデザインは角デザインをよりメカっぽく、バイザーを角ばったデザインされている事で元のゾルダらしさを感じさせるように作られているのに感心しました。

 

尾上は期待の星

その中で一人、特撮俳優出身でない尾上の変身後のデザインは星。

 

何か一人浮いたデザインとなっていますが、そこは東映

星=仮面ライダースーパー1というイメージを持ってきているのに驚きました。

特に腕のヒラヒラがそれを強く感じさせます。

 

また、専用武器を日本刀にしていて、忍者の要素もさりげなく追加しています。

仮面ライダー剣斬とモチーフと思いっきり被ってね?

 

敵は小林幸子

さて、ここら辺で純烈ジャーが戦う敵の事について語っていこうと思います。

 

純烈ジャーが戦う敵は小林幸子演じるフローデアワルサ。

永遠の若さを手に入れるために人間の若さのエキスを手に入れる事を目的としています。

 

配下に4人の四天王と戦闘員を従え、人間社会から人々を拉致していきます。

彼らの起こす事件は現実社会には認識されておらず、それを知っているのは純烈メンバーのみとなっております。

 

拉致された人間は拘束された後、ガスマスクを取り付けらた後、機械を起動してエキスを吸引されます。

吸引された人間は体が老人化した後に死亡してしまいます。

 

やっていることはなかなかエグいですがセットがどこかしょっぱく感じた上に、タイ独自制作の仮面ライダー映画を思い出してしまい、あまり恐ろしさは感じなかったです。

 

 

四天王も特撮俳優

なお、フローデワルサが従える四天王も純烈のように特撮俳優で固められています。

ジャワーを除いたザウナ、ガラン、ゾープの3人は全員平成仮面ライダーに出演しています。

 

リーダー・ザウナ

ザウナを演じた岩永洋昭仮面ライダーオーズの2号ライダーである仮面ライダーバース

四天王のリーダー格として純烈ジャーと戦います。

映画本編ではオーズ当時から輝く肉体美を惜しまれなく披露していました。

 

その強さは他の四天王よりも強く、純パープルを追いつめます。

しかし、その強さとは裏腹にB地区が弱いという謎欠点を持っているトンデモキャラでした。

 

さっきまですごくまじめに戦闘していたのにB地区を責められた瞬間、完全に別作品。

筋肉美を逆手にとった展開だと思いますが…。

実はコイツ一番クソ雑魚なんじゃね?

 

スナイパー・ガウン

ガウンを演じた松本享恭は仮面ライダーエグゼイドの3号ライダーである仮面ライダースナイプ。

 

劇中ではそれを意識してか、武器がライフル銃となっていたり、純ブルーの五十肩を直そうとしていました。

 

映画では同じく銃戦士である純パープルとの銃撃戦を繰り広げました。

最も強いザウナがアレだったのでガウンも一瞬にして倒されました。

四天王ってなんだっけ…?

 

どうしたもんか?ゾープ

ラスト3人目は白又 敦。

元・仮面ライダー鎧武の6号ライダーとなる仮面ライダー黒影を演じていました。

 

3人目となってくると本当にこれと言った活躍が殆どありませんでした。

ぶっちゃけジャワーの方がまだあったと思います。

 

この映画の敵役は出番がかなり限られているところがありますが、ゾープに限って言えば本当に役が無いとしか言いようがないくらい活躍がないです。

どうしてこうなった…。

 

いざ最終決戦!

純烈ジャーはオモシロ四天王との対決に決着をつけるとついに小林幸子との対決を繰り広げます。

 

小林幸子は巨大幸子へと変身し、純烈ジャーへと追いつめます。

スーパー戦隊特有の巨大化要素ですが、幸子の紅白のいつもなのであまり違和感を感じなかったです。

 

巨大幸子は謎ビームで純烈ジャーを追いつめます。

着弾した時の大爆発はいつもの東映らしい大爆発でした。

 

純烈ジャーは次元移動に使用した専用機であるスーパー銭湯機とファンの応援で幸子を一刀両断。

 

スーパー戦隊との差別化で戦闘機を巨大剣にしたのは面白いです。

玩具にしたら完全に魔神ジェッタみたいになりそうです。

モーションがガオレンジャーの破邪百獣剣のまんまじゃ。

 

 

スーパー戦闘 純烈ジャーまとめ

最後に「スーパー戦闘 純烈ジャー」のまとめとなります。

本映画は元ヒーロー出身である純烈を再びヒーローとして活躍させた映画となります。

 

自分は純烈が温泉を拠点にコンサートをしている程度しか知らなかったのですが、わりかし楽しめたかな、と思います。

 

純烈はムード歌謡グループなため劇中に突然歌いだす展開が多くありました。

 

そのシーンはまるでミュージカル。

ぶっちゃけ純烈はどこかお笑いグループのイメージが強かったので、普通に歌うと確かに歌手なんだな、と初めて実感しました。

 

また、要所要所の台詞がいちいちクサかったです。

しかし、メンバーほぼ全員が元ヒーローなのでそういうセリフがあっても全く違和感がなかったです。

 

悲しいことに当時の面影はぶっちゃけ無い状態でしたが、純烈が当時のヒーローがどんな役をしたい鷹を思い出すと、坂井くんを除くと悪徳弁護士だったり、敵対していたライバル。

 

最初から正義のヒーローしていないキャラクターばかりです。

それを思い返すと、逆に面影が無い方が当時のイメージが無い方がいい方がいいような気がします。

英雄ってのはさぁ、なろうとした瞬間に失格なのよ

 

そんな映画の主役は最年少の後上翔太

後上くんが主役として選ばれたのはメンバーはほぼキャラクターや貫禄がありすぎて物語を動かすには難しかったと思われます。

 

そんな純烈が戦う相手は小林幸子

人間の若さエキスを求めて何人も拉致します。

 

構成要素は下っ端戦闘員に四天王に小林幸子と言う組み合わせ。

映画の敵組織らしく最少人数で構成されています。

 

彼らは全員、純烈ジャーと違い、人間体しか持っておらず、怪人体に変身する事はありません。

これは役者の演技を重視したかったからなのか、それとも予算の都合でこうなったのか…?

 

人間体しかないので怪人が倒される際の大爆発は無し。

V3とまではいかずとも、いつもの感覚で鑑賞しようとするとちょっと拍子抜けしてしまいます。

 

また、スーパー戦隊でのお約束である巨大戦も幸子が巨大化するけど純烈ジャーは特に巨大ロボにも巨大化することもありませんでした。

 

一応、それを補うように巨大な合体武器っぽいやつを持ってきていました。

あんなクソダサ戦闘機があんなに格好いい巨大剣になるのは卑怯な不意打ちだと思います。

 

最後はメンバー全員が温泉に入って終わりと純烈らしい終わり方をしました。

見終わってみれば純烈らしさと彼らのヒーローをやっていた実績が上手くかみ合った作品だと思います。

 

純烈のファンだとしても劇中に挿入歌として彼らの歌が何曲も使用されているのでそのシーンを楽しめるようになっているし、俳優時代のファンだったならば戦闘や変身シーンを楽しめるように、うまく別々のファン層が楽しめるようになっています。

 

この使用は平成仮面ライダーのイケメンブームが始まったころのちびっ子がヒーローの活躍シーンを楽しみ、奥様が変身前の姿を楽しむという住み分けがありましたが、感覚的にはアレに近いものがあると感じました。

 

また、本映画には前日段と呼ばれる物語がありますが、それを視聴するにはTTCFに会員登録し、月額960円を支払う必要があるのでよほどのファンであれば視聴すればいいんじゃないかと思います。

ちなみに、私はやりません。